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出発

22_01_27_01.jpg
 函館本線 函館駅 撮影 平成22年1月
 
 一瞬の静寂。
 駅の中で体験するこの瞬間が好きです。
 
 ホームに響くのは電源車のエキゾーストと電気機関車のブロアー音。
 そして、軽やかな発車のベルが流れていく。
 
 『8番ホームご注意ください 列車が発車します』
 
 連絡船の時代からカーブした構造の函館駅はホーム助役の振る旗が見えにくい。
 身を乗り出して車掌が見つめる先。
 小さく揺れる青いカンテラがあった。
 
 ゾクッとするような
 映画のような
 そんなシーンが静かに展開する。
 
 車掌が無線機で何事かを喋っている。
 やや遅れて、甲高い機関車の汽笛。
 
 重々しい音を残して列車が出て行く。 
 ミルクの様に滑らかな加速ですべる様に。
 
22_01_27_02.jpg
 
 降りしきる雪の中、列車はホームを離れた。
 降りしきる雪の中、ボンヤリとテールランプが滲む。
 降りしきる雪の中、私はホームでそれを見送っていた。
 
 さぁ急げ。夜を越えて。
 1000kmの道のりを越えて。 
 
 帝都へ。

Comments:4

ズイコー・ファン 2010年1月28日 16:20

青森といい、函館といい風情ある駅ですね。歴史を感じさせる佇まい。青函連絡船が現役だった頃に旅してみたかったです。

ふうらいぼ@管理人 2010年1月28日 21:10

>ズイコー・ファンさん コメントありがとうございます♪

 どちらの駅も『終着駅』と言う風情が色濃く出ている稀有な存在ですね。
 共に、連絡船の接岸する駅として育んだ独特の空気があるんでしょうね。

 実は私も連絡船に乗ったことの無い鉄でして(笑)
 それでも船好きと来てますから、まぁ、一度は乗船してみたかったなぁと(汗)

JZX81 2010年1月29日 13:40

二枚目、涙が溢れてくるようなシーンですね。
胸を鷲掴みにされたような、切ない気持ちになります。

私は未だにトンネルより連絡船で渡道した回数の方が多いので、
函館というとカーブしたホームに横付けされている「北海」や
「北斗」のイメージが強いんです。

ふうらいぼ@管理人 2010年1月31日 11:46

JZX81さん コメントどうもです♪

 フィルムカメラの頃には考えられなかった撮影。
 こんなシーンもいまは画像に残せますね。
 胸に響く印象的な光景って良く言いますが、映画のワンシーンみたいな情景を自分で撮れるってのが嬉しいです。
 連絡船の時代。
 自分には歴史の1ページに過ぎませんが、その時代を生きた人々の証言を読むにつけ。
 それはもはや一つの儀式だったんだなぁと感じます。
 船が結ぶ浪の鉄路。
 国鉄の栄華そのものでしょうね。

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